2010年07月01日

「リンの詩」の楽譜について

rin-no-uta.jpg HPの表紙、円形の図形で記されているのが“リンの詩(うた)”の楽譜です。“花マル”のようです。中心から外に輪が拡がっていて、花マルのなかの絵は輪郭を越えて描かれています。演奏者はその輪に音を順次指定しながら時計回りに演奏していきます。

 輪の中心から順に、ド・ミ・ソと仮に指定すると、金魚鉢のような中に図形が浮いてき、図形とそれに伴う音の位置が明確になります。指定したドの音をオクターブ上げると(中心の底にあった輪が一番上に位置して)、中の図形はそれまでとは異なり、図形の表情や音の位置も変わっていきます。

 演奏者は、金魚鉢の中で音に触れ合うか、外から鉢の中を見た音と触れ合うか、いずれにしても浮遊する音たちと対話することになります。更に、事前に録音した音たちとも“反応”しながら対話をふくらませていきます。その反応には、左右のチャンネルからの指定がありますが、演奏者の選択に委ねられています。

 地球から見た星たちと、銀河の中心から見た星たちとでは、同じ星たちの“星座”の図形も変わるように、さまざまな星(音)たちとの組み合わせにより、演奏者は自在に対話ができるようになっています。

 音楽に於ける「対話」というコンセプト自体の創造と、自然との一体感を持つ手だてとして、私は興味がありました。


 72年9月・作曲。同年10月25日「篠崎史子・ハープの個展 I 」(東京文化会館・小)で初演。
posted by 坪能克裕 at 00:00| 作曲